とあるCAの婚活失敗エピソード
美人CAというだけでは結婚できない
みなさん婚活は順調ですか?
今日は、とあるCAの結婚失敗エピソードをご紹介します。
登場人物の名前は架空ですが、エピソードは私の同期のことなので本当にあった話です。
案外こういう展開で結婚できなかったというCAの方は多いのではないでしょうか。
CA真弓と義之の出会い
日系大手エアラインCAの真弓は、
27歳のときに合コンで出会った3つ年上の義之と出会いました。
義之は大手総合商社に勤めるエリートで、
商社マンにしては細身の体とブラウンの髪が人目を引く、可愛らしい顔をした男性でした。
そのうえ実家は鎌倉の資産家で、義之は東大卒のエリートでした。
真弓はその合コンで一目彼を見たときから、この義之と結婚したら自分の人生は完璧なものになると確信していました。
職業も育ちも、洗練された振る舞いも可愛らしい笑顔も何もかもが魅力的だったのです。
「義之と適齢期で結婚し、さらに自分のCAとしてのブランド力を高めたい。」
真弓の次の目的は、自然と結婚に向いてゆきました。
真弓はその当時、学生時代から腐れ縁が続いていた同級生の彼氏がいましたが、すぐに彼には別れを告げ、
合コンの幹事の友人に義之との仲を取り持ってもらいました。
CA真弓の義之への婚活アプローチ
そして、真弓は義之と会うようになり、何度か夜を共にしたのですが、義之からはっきりとした言葉はありません。
さらに、義之は結婚相手どころか、正式な彼女とも呼べない位置に真弓を置いたのです。
それでも真弓は初めの数ヶ月は週に何度か会い、夜を共にし、明確な言葉はないけれど真弓は義之を自分のものにした気になっていました。
「仕事の忙しい義之がそれだけ時間を作るには、それなりの気持ちが私にあるはずだ。」
と確信していた真弓でした。
真弓は当初、時々彼と連絡が全く取れなくなることや、義之が友人や同僚に真弓を紹介することをためらうことなどからは目をそらし、
この関係を前向きに見ようとしていたのです。
CA真弓に突き付けられた現実
ある日、同じ合コンに参加した友人の1人が、義之がモデル風の美女と彼の自宅近くのカフェで仲睦まじい様子でいるのを目撃したのです。
非常にわかりやすい展開ですが、真弓には自分にそんな下世話なエピソードが降りかかるなど信じられませんでした。
真弓はそ当時、心配してくれた友達の温かい言葉なんてまったく耳に入りませんでした。
怒り悲しみ泣き叫ぶ真弓に義之は歯切れ悪く、
「君のことは好きだけど付き合っているわけではないよ。
今は仕事に専念したいからほかの誰とも付き合う気はないんだ。」
と答えたのです。
男にとって都合のよい月並みのセリフですが、何かが狂い始めた真弓には、もはや冷静にその言葉を判断することはできないのでした。
真弓の同僚や友達の中には、28歳を目前にして真剣に付き合う恋人を見つけ始め、早くも婚約する者も出ていました。
彼女たちの相手は皆、医者や弁護士や商社マンといったハイクラス、エリートな男たちばかりです。
義之を失ったら、これ以上のハイレベルな男が現れるのか?
真弓は自分のCAとしての人生設計に大きな不安を抱き始め、それはもはや強迫観念にも近いくらい真弓の精神をを追いつめ、
自分には義之しかいないという思いは凄まじい執着となったのです。
CA真弓の暴走
まわりの友人たちが次々と結婚を決め、次々と幸せを掴んでいる横で、真弓は義之からどうしても離れることができないでいました。
義之が時々つぶやく、
「やっぱり真弓といるときがいちばん落ち着く」
「真弓がいちばん俺のことをわかってくれる」
という言葉を心の支えにして、義之との曖昧な関係について無理やり希望を持ち続けていたのです。
義之はその年代の商社マンにありがちないわゆる遊び人で、ほかに何人も女を作り、真弓の監視のないフライト中はさんざん遊び回っていました。
真弓は四六時中義之のことを考え、土日は彼に合わせて無理矢理休みを取ったり、時には仮病までも使うようになってしまいました。
真弓自身は、義之がそんな真弓のことを明らかにけむたがっていると頭ではわかっていました。
「でもどうしても義之から離れられない。」
「義之と離れるのだけは耐えられない。」
「もうこんなに長く関係が続いているのだから、最終的には何とか一緒になれるはず。」
真弓は結局、その不毛の関係を3年近く続けたのでした。
CA真弓と義之の永遠の別れ
当時の真弓は義之に粗末に扱われて、それに慣れてしまい、感覚が麻痺してたのです。
好きというより、ただの粘着・執着ですよね。
それでも現実と向き合えなかったのです。
そして気づけば30歳目前。
そんな歳で三年も過ごした義之と別れるなんて、その絶望感たるやいかほどのものだったのでしょう。
CA真弓のXデー
「本気で好きな人ができたからもう会えない。」
と、別れは突然切り出されました。
真弓は意外にもあっさりと身を引きました。
少し前から義之が自分より4つ若くてスレンダーなモデルを口説いているのは知っていたのです。
そして、真弓自身もこのいびつな三年間によって、自分がすっかり昔の輝きを失ったことも自覚していました。
それはまさに「完敗」だったのです。
CA真弓の婚活完敗宣言
真弓は東京の下町の小さなワンルームマンションに暮らして悟りました。
数年前まで同じように東京の夜を謳歌していたCA仲間たちは、結婚をして都内の高級住宅地へと住まいを移し、
エリートな夫に愛されて満たされた生活を送り、さらに妖艶さを増してきらめいているのです。
一方で真弓は独り身のまま下町のワンルームマンションに暮らし、そんなセレブな彼女たちとは距離を置いて過ごすようになりました。
CA同期とは同じスタートだったのに、真弓は自分に何が足りなくて何を間違ったのかまったくわからないでいました。
義之にフラれたとき、あのキラキラとしたコミュニティから「失格」のレッテルをはられた気分になっていました。
自分の30という年齢に押しつぶされそうで、プライドも何もズタズタです。
真弓は本当に消えてしまいたいと思いました。
CA真弓の気づき
でも、真弓は最近やっと気づいたのです。
結婚できた子たちは、年と共に中身も成長して精神的に自立してる子が多いのです。
それに、CAというブランドだけでは何にもならないということです。
世の中に本当にきれいな人はいくらでもいるし、自分より若い子たちはどんどん増える一方です。
なので、これからは自分を見失わないようにしようと、真弓は誓ったのでした。
きれいなCAというだけでは、一流の男を手にできません。
素敵な女性として一目置かれるためには、「きれいなCA」だけでは足りません。
真弓は、きれいなCAとしてはかなりの上位に位置すると思われますが、地方から就職とともに東京に上京し、もともと男慣れもしていませんでした。
つまり、都会の遊び慣れた男にとってはカモにしやすかったのです。
そして何よりも、20代後半から30代の容姿もよいエリート男と付き合う女性には、それなりの器も必要なのです。
それは女性のステイタスやブランドには関係なく、
いかに自身が自立し対等な関係でいられるか、自分の感情をコントロールし精神レベルを高く保っていられるか
それが重要だったのです。
お互いに尊敬の念がなければそもそも恋愛関係は成り立ちません。
真弓にはそれが決定的に欠けていたのです。
安易な夢を抱き相手に依存することで、根本的に軽く見られてしまっていたのです。
そして、当たり前ですが、過剰な束縛は恋人をさらに遠ざけてしまいます。
結局、人は魅力でしか人を縛ることはできないのです。
真弓はその後、もともと好きであった仕事にさらに精を出し、現在はソムリエの資格に挑戦しています。
また、一人の時間は料理やヨガなどの趣味を楽しむようになり、等身大の自分を取り戻したのです。
「次はちゃんと一緒に成長できる人、純粋な気持ちで好きになれる人を探します!」
とのことでした。
自分の生活を確立し前向きに楽しむ自立した女性は、年齢に関わらず深みがあり魅力的ですよね。
そんな今の彼女を放っておけない素敵な男はきっとたくさんいるはず!